大会長挨拶

食べる支援で未来を動かせ!

-要介護者の食べたい希望をあなたはどう支えますか-

 

大会長 小山 珠美

NPO法人口から食べる幸せを守る会 理事長

 当NPOの全国大会は今年で6回目を迎えます。超高齢社会が加速するなか、ここにきてようやく口から食べる支援の重要性が社会全般に認知されるようになりました。しかし、その一方で脳卒中や肺炎などで急性期医療に入院後、経口摂取を禁止されたまま、人工栄養のみで福祉施設や在宅での生活を余儀なくされている要介護者も多く存在しています。当事者のご家族も「食べさせてあげたい」という思いを強くもっていても、医師から経口摂取は困難と説明をうけ、悩みを抱きながら辛い日々を送っています。もしも、皆さんの大事なご家族が「食べられない」と医師から宣告をうけたらどんな気持ちになりますか?どうしてほしいと思いますか?あなたはそのような方々をどう支えますか?

 

 本来は急性期医療で口から食べるリハビリを併用しながら、転院の調整をすることが必要であるにもかかわらず、経口摂取ゼロで転院調整がなされる場合が少なくありません。そのため、先延ばしされた要介護者の口から食べるリハビリは蔓延化し、廃用症候群は悪化します。ひいては、保たれていたはずの食べる力は衰退し、食べたい希望が絶たれていくという悪循環を来してしまいます。当NPO事務局には、そのような方々のご家族から「なんとか食べさせてあげたい、どうしたらいいのだろう・・」という相談のメールが後を絶ちません。

 

 急性期医療で経口摂取を再獲得できなかった場合は、在宅や福祉施設へ戻ることが困難となります。次の療養先に退院するためには、人工栄養(中心静脈栄養・胃ろう・経鼻胃管チューブなど)を施さなくてはならない診療報酬体系があるからです。その結果、家族はやむをえず、早期退院を迫られ、食べる希望を繋ぐための人工栄養を選択せざるを得ない状況に追い込まれます。当然、要介護度は上がり、医療費・介護費用は高騰します。口から食べるためには、とりあえずの人工栄養が本当に必要なのでしょうか?ここにエビデンスはあるのでしょうか?そのような説明を受けた人々は、果たして、退院後に食べられるようになっていったのでしょうか?胃ろう難民、中心静脈栄養難民が増え、食べる希望が叶わないままになっていないでしょうか。

 

 つまりは、急性期医療が口から食べる支援を適切に行ない、そのことが診療報酬上も評価されることで食べる希望は繋がれていくはずです。支援者のスキルも上がります。加えて、たとえ人工栄養のみであっても、療養型病院、福祉施設や在宅の関係者が食べる支援スキルを提供していけば「食べたい」願いが叶う人々は多く存在すると思います。ご家族も含めた関係者ひとりひとりのやる気と勇気と行動力のいかんによって成り行きは変化し、未来をも動かすのではないでしょうか。

 

 さらなる少子高齢化が加速し、医療福祉における社会保障費が高騰する中、2025年問題、2060年問題に向けて、人に優しい未来へと動かすためにはどうすればよいか!本大会にて医療福祉変革への潮流をつくりたいと考えています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。


大会概要

大会名:第6回NPO法人口から食べる幸せを守る会全国大会

テーマ:食べる支援で未来を動かせ!

大会長:小山 珠美(NPO法人口から食べる幸せを守る会 理事長)

会 期:2018年7月8日(日)

会 場:横浜市教育会館

時 間:12:30〜17:10 (一般受付開始11:00 ) 

ハンズオンセミナー:10:00~12:00(2部制)

 

副大会長:社本 博

実行委員長:一瀬 浩隆

副実行委員長:竹市 美加